アンケートの分析結果
アンケート回答数:58件
1 NPOの必要性と利用意向
- 回収58件のうち、NPOの必要性については「必要」が大多数であり、移動支援の仕組みづくりに対する理解が得られている。
- 利用意向は「利用したい」だけでなく、「現時点では分からない(現在は自家用車で対応できる)」という回答も多い。免許返納・加齢・家族事情等により、将来的に需要が顕在化する層(潜在需要)が一定数存在する。
- また、利用しないと回答した方も道志村にはこのようなサービスを提供するNPOの存在が「必要」と回答している。
2 目的(ニーズの中心)
自由記述を整理すると、ニーズは次に集約される。
- 通院(村外)(都留・富士吉田・相模原方面等)
- 買い物(村外)(都留・富士吉田方面等)
- 交通接続(最寄り駅、三ヶ木等。特に土日祝の移動困難)
- 生活の質(QOL)(飲食、イベント、温泉等。夜間含む)
- 子ども送迎(駅まで等)
※特に「通院」「買い物」は生活必需であり、設立当初の優先対象として妥当。
3 利用頻度(傾向)
- 週1相当(月4回)の回答が存在し、継続的に利用が必要な層が確認できる。
- 一方で「今は利用しない/現時点では分からない」層も多く、需要は 直近(顕在)+将来(潜在) の二層構造である。
4 需要予測(具体的数字)
4-1 直近需要(顕在需要:当面利用する見込み)
- 村外移動:月 15.5 回
- 村内移動:月 6.17 回
- 合計:月 21.67 回(=1日あたり約 0.7 回)
4-2 潜在需要(将来顕在化する可能性)
自家用車で現在は困っていないが、免許返納や高齢化、家族事情により利用が必要になる旨の回答が複数あった。これらを潜在需要と考えると、顕在化した場合に利用回数が次のように広がる可能性がある。
- 村外移動:月 46.59 回
- 村内移動:月 6.84 回
- 合計:月 53.43 回(=1日あたり約 1.8 回)
5 送迎ボランティアへの協力意向
- 「有償の送迎ボランティアを行っても良い」という回答が一定数あり、担い手の芽はある。
- 一方で「できない」も多く、担い手確保は課題である。
- 現時点では、ドライバーの年齢層や対応できる時間帯等も十分に把握できておらず、引き続き募集・働きかけを継続する必要がある。
- 送迎手当の妥当性、運用負担の軽減、安全管理(研修・保険・記録)等の整備が重要である。
6 村民の声と移動の実態
(1) 既存公共交通(バス)における「片道通行」の課題
個別訪問時のヒアリングおよび自由記述から、既存の路線バスだけでは対応が難しい 「往復が成立しない」 場面があることが示唆された。
- 「行きは良いが、帰りが無い」実態
役場や郵便局、病院等の公共施設へ向かう際、午前のバスで「行く」ことは可能でも、手続きや診察を終えた後にちょうど良い帰りの便がなく、知人を頼らざるを得ない状況がある。
「路線がある=移動できる」という形式上の見え方と、生活実態の間にギャップが生じている。 - ドア・ツー・ドアの必要性
「バス停まで歩くことが困難」「重い荷物(買い物)を持ってバス停から自宅まで歩けない」等の声があり、単なる路線の維持に加えて、自宅から目的地までをつなぐきめ細かな支援が生活維持の観点で重要である。
(2) 自由意見の要約:期待と懸念
自由意見欄には、現在の生活上の不安と、新たな仕組みへの期待が具体的に記載されている。
- 「住み続けたい」という願いと将来不安
「今は運転できるが、返納後は村に住み続けられない」「車が使えなくなった時に村を出るしかないのかと考えてしまう」等、移動手段の有無が定住意欲に直結している声が見られた。 - 多様化する移動ニーズへの対応
- 生活・通院:定期的な村外(富士吉田・都留方面等)への通院・買い物、退院後のリハビリ通院等の需要
- 多世代・多国籍:子どもの駅や塾への送迎、村内で働く外国人技能実習生の生活圏の確保等
- 余暇・交流:村内外での飲食(お酒を伴う場)、イベント参加等、休日・夜間の「生活の質」を高める移動支援への期待
- 外国人技能実習生への言及
自由意見に詳しく記載された**「外国人技能実習生の生活圏の確保」** は、村の産業(農業や建設業など)を支える担い手への支援という側面も持っています。これは単なる福祉ではなく、村の「産業支援」にもつながる視点です
- 共助(ボランティア)への前向きな姿勢と課題
「有償であれば協力したい」「空き時間があれば手伝える」等の声がある一方で、持続可能な運営のためには「適正な手当」や「学生等の巻き込み」が必要という提案もあった。
7 費用負担の軽減案(まとめ便の提案)
- 直近需要の中心は村外の通院・買い物であり、個別対応を基本とすると、保険料・手当・運用負担が増えやすい。
- **方面と出発時刻を一定程度固定した「まとめ便(買い物便)」**を試行することで、同方面の需要を束ね、運営費用の低減化が見込める。
例:
- 火曜午前:富士吉田方面
- 木曜午後:都留方面
- (必要に応じ)土日:三ヶ木方面(交通接続)
【背景】現在、村では月1回の「お買い物ツアー」が実施されている。今後、これを月4回~8回程度に増やす形で、需要の集中する方面(都留・富士吉田等)への移動を「便」として束ねられる可能性がある。
【今後の検討】配車システムは、現時点で個別送迎および仮想バスの機能を実装済みである。今後、これらを発展させて「買い物便」等の機能を追加することで、都留・富士吉田方面の利用希望者を一定程度まとめることにより、運営費の削減につながる可能性があるため、実装・運用方法を検討していきたい。
8 分析のまとめ
今回の調査から、直近の需要(月約20件)以上に、「何かあったときに頼れる仕組みが村にある」という安心感を求める潜在的需要(月約50〜60件規模)が大きいことが分かった。
公共交通を補完し、住民同士が支え合う「共助のインフラ」を整備することは、定住促進と生活の質の向上のために、官民協力して検討すべき重要課題であると考えます。