住民参加型のNPO法人を設立した意義

私たちは、移動サービスを運営するためだけにNPO法人を設立したわけではありません。

人口減少や高齢化が進む中、全国の多くの地域で公共交通の維持が難しくなっています。

かつては、行政や交通事業者が中心となって地域の移動を支えていました。しかし近年は利用者の減少や運転手不足などにより、その仕組みだけでは十分に対応できない地域が増えています。

国土交通省も、この状況を踏まえ、「地域にある資源を総動員して移動手段を確保する(地域資源のフル活用)」という考え方を進めています。

■地域資源のフル活用が意味すること

国土交通省は「民間の交通事業者が収益を確保できる形で公共交通を担うという構造が難しくなってきている」という認識のもとに、地域にある資源は何でも使う総力戦の構えです。全自治体に努力義務とした「地域公共交通計画」の策定において、自家用有償旅客運送も計画に入れることが明記されました。

また、地域の運営協議会や地域公共交通会議で「合意が調う」という書きぶりが、構成員全員賛成という誤解を生むとして「協議が調う」に修正し、また立上げが進まない特に交通空白地有償運送を促進するため、「地域交通の把握に関するマニュアル」等を発行する努力をしています。しかし、構成員による協議や、提出・整備書類や3年ごとの更新手続きなど制度の厳しさが敬遠されて、買い物弱者等の移動・外出支援活動は、許可や登録不要の形態が選ばれる傾向です。この動きをもはや止めることはできないと思われる。

行政だけに頼るのではなく、住民、地域団体、事業者、ボランティアなど、地域に関わる様々な人たちが力を合わせて支えることが求められています。

私たちが目指している移動サービスも、まさにその考え方に基づいています。


移動の問題は交通だけの問題ではありません

移動できないことは、

・病院へ行けない
・買い物へ行けない
・友人と会えない
・地域活動に参加できない

といった問題につながります。

さらに、人とのつながりが減り、地域全体の活力が失われていく原因にもなります。

厚生労働省は、人口減少や高齢化による課題は行政だけの問題ではなく、地域に暮らす私たち自身の課題でもあるとしています。

移動サービスは単なる送迎ではありません。

人と人とのつながりを守り、地域で安心して暮らし続けるための大切な基盤だと私たちは考えています。


地域の課題を地域で解決する力を育てる

これまで、

「交通は行政が考えるもの」

「交通は事業者が担うもの」

という考え方が一般的でした。

しかし、人口減少が進むこれからの時代は、それだけでは十分ではありません。

住民自身が地域の課題を知り、

住民自身が解決策を考え、

住民自身ができる範囲で参加する。

その積み重ねが、持続可能な地域づくりにつながります。

私たちは移動サービスへの参加を通じて、

地域の問題を地域で解決する力を育てていきたいと考えています。


「できる人が、できる時に、できる範囲で」

私たちの移動サービスは、一部の人だけに負担をかける仕組みではありません。

利用者だけでなく、

・ドライバーとして参加する人
・協力事業者として参加する人
・活動を応援してくださる人

など、多くの人がそれぞれの立場で関わることができます。

年に数回だけの参加でも構いません。

無理のない範囲で関わる人が増えることで、地域全体で支え合う仕組みが生まれます。


NPO法人はそのための「器」です

私たちが設立したNPO法人は、単なる移動サービス運営団体ではありません。

住民、事業者、行政、そして地域を応援してくださる方々をつなぎ、

私たちはこれからも、

「車がなくても生活できる村」

そして

「みんなで支え合いながら暮らせる村」

を目指して活動を続けていきます。